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 今日、NHKの番組をみていたら、町行く人たちのほとんどが「安保関連法案」の内容が「よくわからない」と言っていました。

 これだけ話題になっているのに、少しビックリしましたが、そういえば法律家である自分も、わかっているような気になっているけれど、ちゃんと人に説明できるのかといわれれば・・・自信がないことに気が付き、反省。
 自分なりに、法律の内容と問題点を「小学生もわかるような」内容にまとめてみました。

 せっかくなので、内容だけでなく、文体も、小学生向けにしてみました。ご笑覧ください。

1 法律案の内容 
 日本の憲法では、日本は国権(国の権利を使って)他の国と戦うこと(戦争)はできないとされている。それで、これまで、日本はアメリカとの間で「いざとなったら守ってもらう」という約束をしていたよ。
 それでは、今回の法案は、どういう内容かな?
 ①アメリカなど仲間の国(友好国)との関係について
 アメリカなどの国が、よその国とけんかになって、その結果(日本がアメリカに守ってもらえなくなって)、「あぶない時には」、日本の自衛隊が、アメリカが戦っている近くで「武器」や「燃料」「食糧」を渡したり、アメリカが戦いにいく通り道によその国がしかけた機雷を外したりして、アメリカが戦いやすくするよう「協力」できるようになっているよ。 今までと、ちがうところは2つだ。
 ひとつめの違いをみてみよう。
 いままでは、実際にけんか(戦闘)が起こってから、必要な場合か、どこで、何をできるのか、国会で、よく話し合ってひとつひとつ法律を作って、「協力」するかどうか、その内容を決めて、その内容に従って内閣が協力をしてきたよ。ところが、今回の法律では、これからは、国会でいちいち法律をつくらなくても、内閣の判断だけで「協力」できるようにしたんだ。この法律があれば、大臣たちが「必要だ」と思ったら、必要だと思う内容の「アメリカがよその国と戦いやすくするための」協力ができるんだ。いろんな意味で、とっても協力しやすくなるんだね。
 ふたつめの違いはこうだ。
 今までは戦いから離れた場所で、ケガ人を治療したり、食べものをわたしたり、人の命を助けることが主な内容だったが、これからは、戦いのすぐ近くまで行って武器や燃料を運ぶことも、ごく普通にできるとなっているところだよ。
 はなれた場所でアメリカの人(兵士)の命を助けるのと、戦いのすぐそばでよその国の兵士の命を奪う武器をアメリカに渡すのとでは大きな違いがあるよね。ちなみに、日本では、殺人のために使うことがわかっているのに包丁などを人に渡して協力したら、協力した人も殺人罪の共犯になるよ。

 じゃあ、どんな心配があるんだろう?

 ひとつめの違い=「簡単に協力できるようになる」ということは、反対に、これまで日本を守ってくれて、日本と仲がいいアメリカから「協力してよ」と強くお願いがあった場合は、断るのは、すごく難しくなるだろうという点が心配されているよ。国会で話し合って、国民にもどんな協力をするかをはっきり知らせる必要もないので、歯止めがきかなくなるおそれもある。

 そもそも、協力ができる「あぶないとき」とはどんな時かも、法律でははっきり書いてないので、その意味でも歯止めがきかないのではないかと心配する人もいるんだ。
 ふたつめの違いについては、こんなことが心配されている。「よその国」から見たら、次から次に、けんか相手であるアメリカに、武器や燃料、食料を運んで協力する「日本」はどう見えるのかという点だ。やっつけられそうになったら日本が武器を運んできて、また元気になったということが続けば、「日本がいるときりがない。アメリカに勝つためにはまず日本をたたかないと」と考えられてしまうんじゃないかな。また、日本が渡した武器で殺された人の家族は日本をゆるせないと思うかもしれない。つまり、アメリカに協力することで、日本が「よその国」の人から敵として憎まれたり、敵として狙われたりする危険が強くなるといということだ。

 ② 国連との関係
  今回の法律では、自衛隊が、国連の活動の中で「駆けつけ警護」といって、他の国の人達を、武器を使って「守る」ことができるようになっている。
 これまでは、よその国から日本に武器を使った攻撃があった場合にかぎり、日本の人の身を守るために、そのげんどでしか使えなかったよ(「専守防衛(せんしゅぼうえい)」といって、先に攻撃はせずもっぱら守ることしかしなかったんだ。)。戦後70年にわたって、日本は専守防衛(せんしゅぼうえい)の国だった。だから日本が自分からは決して攻撃してこないということは世界中の人が知っていたんだ。それだから、反対に自衛隊に対するまともな攻撃はこれまでほとんどなかったんだ。
 トラブルになったとき、相手からやられるかもしれないからと思うと、(少しでも有利になるように)やられる前にやる、ということで戦いが始まることは多い。その反対に、絶対に相手からは戦いをしかけてこないとわかれば、落ち着いて話し合いができるということなのかもしれない。
 これまでは、他の国の人たちを守るためには、日本は武器を使えない、そう憲法は定めていると考えられていた。だから、「他の国の人たちを守る」というできない約束をすることもなかったんだ。
 今回の法案が成立すれば、これからは、「他の国の人たちを守る」という約束もするようになる。そうになれば、守っている自衛隊も、よその国からの攻撃にまきこまれ、自分達が武器を使用することも多くなり、戦争に近い状態がおきると心配されているよ。
 
3 憲法との関係
 そもそも、日本の中で一番強い法律は「憲法」なんだ。
 だから憲法と矛盾する「法律」や大臣たちの行動は、それだけで効力がなくなる。存在しないのと同じなんだ。
 憲法は、大臣、国会議員などの権力者が使う「大きな力(権力)」である「政治を行う力」、「法律を作る力」に歯止めをかけるものなんだ。だから一番強いとされているんだね。
 今回の法律は、日本の憲法、「戦争と武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決するための手段としては永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」「国の交戦権はこれを認めない」という9条に反する、つまり、違憲(いけん)だと考えている人が多くいる。
 法律ができた場合に、違憲がどうかを決めるのは、裁判所だ。誰かが、この法律は違憲だという裁判を起こすかどうかが注目されるよ。
 法律が違憲だという裁判が出て、確定した場合、その法律の効力は、最初からなかったことになるんだ。
 最後に、日本では、国民ひとりひとりが、自分の国をおさめる力(主権)をもっているとされている。権力者は、みんなの主権をあつめさせてもらって、これを使っているだけなんだ。だから(自分達が権力者にあずけた)力の使い方がまちがっているときは、国民一人一人はちゃんと声をあげていく必要があると思うよ。
                                                 以 上 

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