2010年11月09日

事実

「事実」という言葉の意味を調べると,「実際に起こった事柄,現実に

存在する事柄」ということが書かれています。

世の中には毎日毎日たくさんの出来事が生じており,私達はその中の

1部を事実として体験・認識しているに過ぎません。

個人が体験・認識した以外の出来事を知ろうと思えば,それは他人に

頼るしかありません。その頼る先の最たるものが「マスメディア」です。

毎日毎日,テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等から多くの出来事が伝えられて

いますが,しかしその出来事が「事実」か否かは全く別問題です。

私達は,マスメディアの報道が「事実」であると勘違いしがちです。

しかし,それが「事実」でないことが多々あることは,近年の冤罪事件等で

明らかだと思います。

もちろん,新聞記者等マスメディアの中で働いている人たちも,中立的立場から

「事実」を伝えようと努力していることは理解していますが,私は「事実」を伝える

ことは無理だと思っています。マスメディアも商売の面を抜きにしては

成り立ち得ない存在であり,まずは売れることが第1条件となります。

また,マスメディアには報道の自由(取材の自由)が保障されているため,

取材をした素材を編集して公表するまでの間には,どのような出来事を

どのような視点で報道するかという点で,ある種の主観が絶対に入り込みます。

このような状況にあって,実際に起こった事柄即ち「事実」を伝えることが本当に

可能でしょうか。

マスメディアはなくてはならないものであり,非常に重要なものであるがゆえの

ジレンマを感じています。

私は,テレビ等から得られる情報を鵜呑みにせず,1歩引いて冷静に自分で

判断することが必要だと思っていますが,皆さんはどのように思われますか。

今後もマスメディアが様々な情報を発信すると思いますが,特に刑事事件で

被疑者が逮捕されたという報道に接したときは,逮捕の事実=罪を犯した事実

とは 絶対に考えないようにしてもらいたいと思います。

 

    弁  護  士    齋   藤     守

 

 

 

 

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