たとえば、教室内で子供どうしで、じゃれあっていて、悪意はないけれど、友達に怪我をさせてしまった・・・とか、マンションで階下に水漏れさせてしまった・・・とか、自転車に乗っていて歩行者にぶつかって怪我をさせてしまった・・・というケースの場合。
悪意はなくても、怪我をさせてしまった場合、怪我をした人に対して、法律上は、(本人や親が)損害賠償責任というお金を支払う義務が生じることになります。
けれど、車の保険には入っていても、こういうケースをカバーする保険に入られている方は少ないのではないでしょうか。
昔だったら、今のように、相手にお金を請求することは少なかったのかもしれません。被害者は、いってみれば泣き寝入りしていたわけです。しかし、現在は、権利意識も高くなってきて、知識も普及していますから、しっかり損害賠償を請求されることは決して珍しいことでは無くなっています。
請求金額も、何万円といったものから始まり、ケースによっては何千万円(!)という金額になることがあり、とても一般市民が個人で負担できる金額ではないことすらあります。
こうしたケースをカバーする保険が、個人賠償責任保険です。
弁護士として法律相談を受けていると、やはり、この保険に入られていれば・・・、と残念に思うケースに比較的よく当たります。
私は、保険会社の顧問をやっているわけではないので、決して、保険会社の利益のためにいうのではないですし、例えば、生協や共済の傷害保険に付帯して入る場合、1ヶ月の掛金は、個人賠償保険については、月額たった200円(!)程度で、家族全員に1億円の保証がつくこともあるようですから、そもそも、保険会社にとっては、たいして利益になる商品だとも思えません・・・。
しかし、反対に加入者にとっては、比較的、安い金額で安心を買える商品なのではないかと思います。
ここまで読んだ方、是非、個人賠償責任保険に入りましょう!
弁 護 士 水 谷 里 枝 子